2008年07月04日

なぜ5行でソネットか

実にナルシスティックなこの企画、どうして始めようと思ったのかというと、他の訳が今の時代感とあまりにかけ離れていて、とても読めたもんじゃないからです。

僕みたいなシェイクスピアオタクには、例の長ったらしい美文調が最高なんですが、普通の現代人にとってはただ長ったらしく、理解の妨げでしかありません。まあ、そこがいいんですが・・・。

また、一行ずつ訳す方法だと、原文のニュアンスを伝えたくなって、どうも日本語として不自然さが残ってしまいます。

そこで、長ったらしさと不自然さを一気に解消すべく、5行で訳してみることにしたわけです。

はじめ、1行や3行も考えたのですが、たとえば1番と2番は「美しいものは子を産め」としか表現できず同じになってしまい挫折。5行だと詩のモチーフを最低限残すことができそうだと判断して5行にしました。短歌にするというのも考えたんですが、あまりシェイクスピアと短歌のリズムが合わないので却下しました。

シェイクスピアのモチーフだけを残して表現しなおすので、シェイクスピアか?と聞かれると、違うと答えるしかないのですが、シェイクスピアの本質をえぐり出すためには、こんな方法も良いのではと思っております。

どうぞ、のんびり楽しんで頂ければとおもいます。
posted by Kagege at 23:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 5行ソネット

シェイクスピアのソネットを5行で訳してみる 2

40も冬を越せば、青春の華やかな衣装はボロキレ同然。

その頃「あなたの美しさはどこへ?」と聞かれて、

「この瞳に」と答えるなら、それは独りよがりのたわごとだね。

「美しい私の子に」と答えるなら、あなたの青春は永遠だ。

あなたは若返り、冷えた血は燃え上がる。


--
三島由紀夫は、「美人はいつまでも美人」と言ったけど、シェイクスピアは違うようだ。矛盾するけどどちらも正しいと思う。

原文

When forty winters shall besiege thy brow,
And dig deep trenches in thy beauty's field,
Thy youth's proud livery so gazed on now,
Will be a totter'd weed of small worth held:
Then being asked, where all thy beauty lies,
Where all the treasure of thy lusty days;
To say, within thine own deep sunken eyes,
Were an all-eating shame, and thriftless praise.
How much more praise deserv'd thy beauty's use,
If thou couldst answer 'This fair child of mine
Shall sum my count, and make my old excuse,'
Proving his beauty by succession thine!
This were to be new made when thou art old,
And see thy blood warm when thou feel'st it cold.
posted by Kagege at 04:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 5行ソネット

シェイクスピアのソネットを5行で訳してみる 1

美しいモノは子を生み、その美がいっそう栄えるべきだ。

だがあなたは自分の美しさに夢中になり、

形見たるべき美しさを根絶やそうとしている。

この世をあわれめ、

遺産を食いつくす欲に溺れるな!



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夜中に思いついた。シェイクスピアのソネットを5行で訳すとどうなるだろうと。自分は文才がないので、訓練も兼ねてソネットを5行にまとめ直してみたいと思う。1年くらいで全編訳せるだろうか?

原文

From fairest creatures we desire increase,
That thereby beauty's rose might never die,
But as the riper should by time decease,
His tender heir might bear his memory:
But thou contracted to thine own bright eyes,
Feed'st thy light's flame with self-substantial fuel,
Making a famine where abundance lies,
Thy self thy foe, to thy sweet self too cruel:
Thou that art now the world's fresh ornament,
And only herald to the gaudy spring,
Within thine own bud buriest thy content,
And, tender churl, mak'st waste in niggarding:
Pity the world, or else this glutton be,
To eat the world's due, by the grave and thee.
posted by Kagege at 04:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 5行ソネット