2014年09月01日

ALSアイスバケツチャレンジを資本主義の精神から考えてみる

Unknown.jpegALSアイスバケツチャレンジとは、今さら説明するまでもありませんが、ALSという難病を広めるため運動で、氷水をかぶるか1万円を寄付するかを問うモノです。アメリカのセレブがあおりまくって大成功しました。

このムーブメントについて、日本では賛否両論ありますが、最近こういうことで賛否両論起こると、いつもその裏にある価値観の違いについて想いを巡らしてしまいます。

先ず、このムーブメントで集まった寄付額ですが、
アメリカでは80億円、
日本では2千5百万円です。
つまり、日本はアメリカの320分の1です。

この結果だけ見ても、このムーブメントは日本ではアメリカに比べて、とても小さなものであることがわかります。

日本では、このムーブメントは素直に受け入れられているわけではなく、武井壮のようなムーブメントに対する批判的なコメントの方に、むしろ共感が広がりやすいように見えます。

ALSアイスバケツチャレンジで検索しても、批判的な内容が上位を占めています。

なぜ、日本ではこのムーブメントが、こんなに素直に受け入れられないのででしょうか?

タイムラインに流れてくるコメントを見ていると、「お金が集まれば何をしてもいいのか?」という内容が目につきます。ネット記事によれば、「売名行為だ!」という批判もあるようです。

「お金が集まれば何をしてもいいのか?」
「売名行為だ!」

この二つの表現が出てくるのは、おそらく目的合理的な振る舞いに対する拒絶反応です。日本人は、人に迷惑がかからなければ「お金を集めるために何をしてもいい」「売名でも構わない」とは思えないのです。

むしろ、周囲の人間関係を重視して、「空気を乱さない範囲で行動すべき」と考えるのだろうと思います。これが賛否両論になって、いまいち盛り上がりに欠けた理由ではないかと思います。

さて、資本主義の話です。資本主義を理解する上で重要になるのは、資本主義の制度と精神を分けて考える事だろうと思います。

資本主義の制度とは、銀行からお金が借りれて、株式が取引されている社会制度がある事ですが、日本もアメリカもこの点は同じ制度を持っています。問題は精神の違いです。

資本主義の精神は、「お金儲けを良い事だ」と思えるかどうかです。世界中でお金儲けは悪でしたが、アメリカが世界でいち早くお金儲けは良い事だと思う事に成功したと言われています。

お金儲けは良い事だ。だから、お金儲けのためになら何をしても構わない。ただし、人に迷惑をかけなければ。という考え方は、今でもアメリカでは大きな考え方の一つです。お金儲けに対して目的合理的になることが正義なのです。

ALSアイスバケツチャレンジがアメリカ発祥で、しかもアメリカで80億円もの寄付を集めている事から考えても、この資本主義の精神と合致したムーブメントだと言えます。

一方、日本では、空気を大切にする文化とあまりなじまず、寄付もそれほど伸びなかったものと思われます。

私はファンドレイジングに関わる事が多々あるのですが、このムーブメントから、日本で寄付文化をどのように醸成していけば良いのか、とても大きなヒントを得たように思います。

で、お前はこのムーブメントに賛成なのか反対なのかどっちなんだよと言われそうなので一応言っておくと、日本にはなじまないので別の方法を考えた方が、日本で活動するファンドレイザーには賢明だと思う、というのが答えです。
posted by Kagege at 00:56| Comment(0) | コラム